賃貸物件の更新料の相場はどれくらい?なぜ必要なの?

賃貸物件に長年住んでいると、更新手続きを行わなければなりません。
この際、物件によっては更新料を取られてしまうことがよくありますよね。

何気なく支払っている更新料。
でも更新料は地域や物件によって、相場が全く違います。
中には更新料を徴収していない物件もあるほど。

今回は、更新料は何のために取られてしまうのか、
更新料の相場はいくらなのかなど、更新料に関する疑問をまとめてみました。

賃貸物件を更新する際の注意点

賃貸物件を更新する際、何も考えずに更新料を支払ってしまうのは考えもの。
更新料の計算方法や必要性などをしっかりと理解したうえで、納得して支払うことが大切です。

では、更新料の相場や更新料以外の諸費用について見ていきましょう。

更新料の相場

更新料の相場は、地域や物件によってまちまちです。
そのため、遠方から引越してくると更新料の仕組みの違いに驚かされてしまうことも。

地域で異なる相場価格

地域ごとに更新料の相場について解説していきます。

主に関東地方では、多くの物件で更新料が発生します。
神奈川県で90.1%、千葉県で82.9%、東京都で65%、埼玉県で61.6%の賃貸物件で更新料が徴収されていて、
全国的に見ても高い割合で更新料が発生していることになります。
更新料の相場は2年ごとに家賃半月分~1か月分です。

また京都府、愛知県、沖縄県でも更新料が徴収されていて、
割合は京都府で55.1%、愛知県で40.6%、沖縄県で40.4%です。
更新料の相場は2年ごとに家賃半月分です。

大阪や兵庫県では更新料を徴収する習慣が少なく、
兵庫県ではほとんどの物件で更新料はありません。

更新料だけでお部屋を選ぶのはNG

更新料がない、更新料が安い。
それだけの理由で物件を選んでしまうのは得策とは言えません。

確かに2年ごとに更新料を取られてしまうのは、
長期間住む予定の人にとって厄介なことです。

でも更新料は徴収されなくても、他の諸費用が高いという物件もたくさんありますし、
更新料と言う名前ではなく、別の名目でお金を取られてしまう事もあります。

たとえば関西では、更新料の習慣はありませんが敷引きの習慣が根強く残っています。
敷引きとは、入居時に高額の保証金を払っておいて、
退去時に部屋の修繕費用をそこから引いていくというシステム。

中には想像以上に高額の敷引きが行われ、
本来戻るはずの保証金がほとんど戻らないという例もあるほど。

更新料の有無や金額は、お部屋選びの一つの指針として活用するにとどめ、
総合的な費用を考えてお部屋を選ぶようにしましょう。

更新料以外に必要な費用

更新手続きの際は、更新料だけでなく他の費用も徴収されることがあります。
更新料が家賃の半月分だから、その金額だけを用意しておけば良いはず!
と思っていると予想外の出費に戸惑う羽目になってしまいます。

更新時に発生する可能性がある費用についてもしっかり頭に入れておきましょう。

火災保険料

賃貸物件に入居する際は、必ずと言っていいほど火災保険に加入させられます。
この火災保険も、賃貸契約更新に伴って契約更新手続きを迎えることがほとんどです。

火災保険料は、加入する保険の種類によって違いますが、
およその相場は15,000円から30,000円程度です。

保証会社への更新料

入居する際に保証会社を利用した場合は、保証会社への更新料も発生します。
更新料については、保証会社によって全く違うので、
詳しい金額を知りたい場合は直接保証会社に問い合わせてみるのがおすすめです。

事務手数料

更新手続きを行うと、更新手続きに対する事務手数料が発生する場合があります。
更新手数料はすべての物件で必要となるわけではありません。
物件や不動産業者によって有無が違ってきます。

多くは、更新料がすべて家主に支払われる場合に、
不動産業者の手間賃として請求されることになります。

賃貸物件の更新料はなぜ必要なのか?

そもそもなぜ更新料が発生するのでしょうか。
毎月高い家賃も払っているし、入居時には入居費用も払っているのに、
さらに更新料まで取られるのは納得がいかない人も多いはず。

そこで、続いては更新料の必要性や役割について見ていきましょう。

更新料の役割

更新料の役割は、ずばり毎月の負担を減らすというもの。
毎月の家賃を払うのはとても大変なことですよね。

その負担を少しでも軽くするために、更新料を設けて家賃を安く設定しているというわけです。
つまり更新料が発生しない物件では、その分家賃の設定が高くなっていると考えられます。

また、家主に対して長期間物件に住ませてもらっている謝礼という意味合いもあります。
2年間住み続けたお礼と、これからまた2年間よろしくお願いしますという意味で、
更新料と言う項目を設けているというわけです。

払わないという選択肢は?

更新料は法律で定められているわけではないので、
支払いは義務というわけではありません。

でも契約書にきちんと記載されていて、その契約書に押印してある場合は、
更新料について合意したという事になってしまうので、
後から拒否しようと思っても認められないことが多くなります。

ただし、一年に3か月以上という高額の更新料の場合は、
適正な金額と認められないため、契約書に押印してあっても拒否できる場合もあります。

また、契約書に記載されていないにもかかわらず更新料を請求されたという場合は、
更新料の支払いに同意したとはみなされないので拒否できます。

払わないとどうなる?

万が一、更新料に納得がいかずに支払わなかった場合、どうなってしまうのでしょうか。
更新料を支払わなかった場合、次のような罰則が予測されます。

  • 契約の解除(退居)
  • 裁判所による支払い命令
  • 延滞金の徴収

契約書に記載されており、さらに契約書に押印してあるにもかかわらず、
更新料の支払いを不履行してしまうと、このような罰則を受けてしまう可能性があります。

また大家さんとの仲もギクシャクしてしまい、
快適な生活を乱されてしまうことも考えられます。
契約書に押印した以上は、文句を言わずに支払うことがおすすめです。

まとめ

更新料は地域や物件によって差があります。
最近では更新料0円の物件も増えてきていますが、
更新料だけで物件を決めてしまうのは早計です。

更新料について、きちんと契約時に確認したうえで契約書に押印し、
更新時には納得した状態で支払うことができるようにしておきましょう。