留学生で賃貸保証人がいない場合はどうすればいい?

留学生で賃貸保証人がいない場合はどうすればいい?

夢と希望を持って勉強のために日本にやってきた留学生たち。
それなのに、まず生活の基盤である住宅を探すときには、
保証人が見つからないことで苦労が多いようです。

せっかく住むことができる賃貸物件が見つかっても、
連帯保証人がいないときにはどうしたらいいのでしょうか。

部屋を借りるときには連帯保証人が必要

どんなに狭いアパートでも広い一戸建てでも、
賃貸物件を借りて入居するには、
きちんとした賃貸借契約書を取り交わし、
連帯保証人になってくれる人の署名と捺印が必要です。

連帯保証人は独立の生計を営む成人であり、
きちんとした収入がある人で、
部屋を借りた人が何らかの問題を起こしたときに、
その人に代わり一切の責任を負う人です。

国籍に関係なく賃貸物件に住むときは連帯保証人が必要

賃貸物件を借りるときの手続きは、
外国人でも日本人でも関係なく連帯保証人が必要です。

連帯保証人と言うのは、
もし借りた部屋の家賃を事情で払えなくなったときや、
決められた修繕費を支払えない場合などに、
物件のオーナーが連帯保証人に支払いを請求することになります。

そういう条件をすべて理解して引き受けてくれる人、
できれば日本語の会話が問題なくできる人に、
連帯保証人になってもらわなければなりません。

多くは自分の親に連帯保証人になってもらう

日本では、学生が部屋を借りて一人暮らしをするときは、
自分の親に連帯保証人になってもらうことが多いです。

親がいないときは、親戚や兄弟、
面倒見の良い目上の知人などに頼むことになります。

どうしても連帯保証人が見つからないときは、
賃貸保証会社などを利用して連帯保証人代わりに利用することができます。

外国人留学生に対しても、同様の制度があり、
その留学生住宅総合保障制度については後述します。

経済的な理由から保証人として認められない場合もある

自分の親でも、失業中などで十分な収入がないと、
連帯保証人として認めてもらえないことがあります。

また、年金受給者では、
毎月の年金額の申告が必要になることもあります。

外国人留学生の場合は、
母国の親に連帯保証人を頼むことは難しいでしょうから、
十分な収入のある日本在住の知人に頼むことになります。

友だちやバイトの上司に頼むのはやめよう

善意で連帯保証人を引き受けてくれるとは言っても、
同じ境遇の他の留学生や、バイト先の上司などに頼むのはやめた方がいいです。

何かあったときにせっかくの交友関係が悪くなってしまいます。
下手をするとやっと見つけたバイトの仕事を失うことになってしまうかもしれません。

大学の留学生担当課に住宅の相談をしよう

ほとんどの大学が留学生のための担当窓口を設けていますので、
まずは自分の通う大学の担当者に住宅のことを相談すべきです。

大学により、学生寮や留学生専用の住居を用意していたり、
留学生用の賃貸物件を多く扱う提携先の、
民間の不動産会社を紹介してくれたりしています。

過去に留学生に多くの賃貸物件を紹介した、
実績のある不動産会社を選べば何かと安心です。

連帯保証人がいない場合の手続き方法もスムーズにいくでしょう。

留学生が借りやすい不動産会社を紹介してくれる

海外からの留学生が多く在籍する国立大学や有名私立大学では、
留学生が来日早々宿舎に困らないように、
様々なフォロー体制を整えています。

そのような大学の近くの不動産会社や、
大学と提携している不動産会社では、
各人の経済状況に応じた格安物件の紹介をしてくれます。

最近では、人気がなく長く空いているような公営住宅や、
民間の日本企業の社員寮などを安く提供していることもあるようです。

大学が連帯保証人になってくれる制度がある

さらに、日本での連帯保証人が見つからずに困っている留学生には、
在学先の大学が連帯保証人を引き受ける制度をとっていることがほとんどです。

安易にあまり親しくないよく知らない人に頼むのもためらわれますので、
大学に相談するのが一番良いのではないでしょうか。

大学が機関保証として、連帯保証人を引き受けることができます。

機関保証とは、個人ではなく団体が、
信用保証協会や会社に保証料を支払うことにより、
大学が連帯保証人として認められる制度です。

もちろん家賃を毎月きちんと払い、
大学に迷惑をかけないことが大前提です。

しかし、近年、早稲田大学では、
民間でも留学生に対しての支援をする保証会社などの登場により、
保証料を支払うことで賃貸物件が借りられるような、
環境の改善が進んでいることから、
保証人制度を終了する旨の通達を出しました。

自分の通う大学の支援がどのようになっているかは、
一番に確かめておいた方が良いでしょう。

留学生と連帯保証人のための総合保障制度もある

家賃が払えなくなってしまった、
設備を壊して多額の弁償金を支払わなければならなくなったというときのために、
留学生住宅総合保障制度があります。

これは、住宅総合保険と連帯保証人が、
過度の負担を負わないための保証人補償基金とが一緒になった制度です。

留学生が賃貸物件に関して損害賠償をする必要があったときや、
家賃の支払いが滞り保証人が負担しなければならなくなったときに、
その補償をしてくれる制度です。

不動産会社で、必ずこの「留学生住宅総合保障」に加入することを、
義務付けているところもあります。

義務付けていなくても、
万が一の際に連帯保証人にまで迷惑がかかることがありますので、
加入しておいた方が何かと安心です。

申請条件を確認しておこう

留学生住宅総合保障を利用するためには、
一定の条件が必要です。

在学する学校が外国人留学生住宅保証制度の会員になっていること、
賃貸物件のオーナーがこの制度を利用しての機関保証に同意してくれること、
借り主である留学生が、指定された保険に加入することは必須です。

外国籍の留学生が日本の賃貸住宅を探すときには、
まず言葉の壁があります。

日本人でさえも独特の不動産用語は難しいものがありますから、
賃貸契約のことを良く知る日本語の上手な人と一緒に探すようにしましょう。

意思疎通ができなければ、そもそも部屋を借りることは難しいです。

日本では家賃の支払う約束の日や、
時間などの決まりごとはきちんと守らなければいけません。

連帯保証人に迷惑をかけることのないように、
気をつけて日本の生活を楽しんでくださいね。

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